ちいちゃんのかげおくり

　「ちいちゃんのかげおくり」というお話しがある。
　戦争で家族みんなを亡くしたちいちゃんが、家族でかげおくりをして遊んだ野原で、そのときの夢を見ながら亡くなっていくという話。
　その話を泣きながら読む子に、その話のワンシーンにある「空色の花を作って欲しい」と言われた。
　
　デルフィニウムは　空色の花で、青い庭を作るなら欠かせない花で、、、ぜひとも作ってみたいと思っていたので、デルフィの花畑を作ってあげると、答えた。
　
　でも、何か違う。。

　そこで、デルフィの花の色を貰い、一面青の花だけを敷き詰めてみた。

　「ウン、、この花だね。
　ちいちゃんが　みんなに会えたお空の花。」

　そう言って、ありがとうと　ぎゅっと抱きしめてくれた。



　この花に　そらのはな　と名前を付けて、インベントリに仕舞った。
　これは　売らない。

　時々、友達リストをふらりと開けて、いきなり花を渡したりする事がある。
　そんな中にいくつか　売っていない花がある。
　そらのはな　は　そんなひとつになる。

　花が行きたそうなところに送る。
　送られた人は、諦めて受け取ってください。

　なんのてらいもなく、ただ青い花を敷き詰めただけです。
　珍しくもなく、工夫もないです。
　ただ、花が行きたがったんだと、諦めて受け取ってください。